La petite fille et la cigarette
著 : ブノワ・デュトゥールトゥル(Benoît Duteurtre)
訳 : 赤星絵理
発行所 : 株式会社 早川書房
ISBN:978-4-15-209073-7
刊行日:2009/10/09
サミュエル・ベッケットに見いだされ、
ミラン・クンデラが絶賛する著者の問題作
死刑を目前に控えた囚人は、最後の一服を要求した。しかし、刑務所の所長は完全禁煙の規則を盾にそれを拒否。自体は、煙草会社、法曹界、政治家を巻き込んで、奇妙な混乱へと陥っていく・・・・・・。はたして、囚人は最後の一服を許されるのか?
一方、禁煙の市庁舎のトイレで煙草をくゆらせていた職員は、幼い女の子に現場を発見される。威嚇して追っ払ったものの、職員には告発の手が伸びる。
やがて、囚人と職員の人生は、皮肉な形で交差する。——注目の作家が放つブラック・コメディ。(カバー参照)
愛煙家としての吾身を鑑みると、笑えないお話です。
煙草を吸いたいと願う者の哀楽を綴った物語で、かたや絶望から昇る太陽の如く輝く、”時の人”。甚だ些細な事から絶望へと至る”自称良識人”煙草の税率アップなどが報道される昨今には、なかなかタイムリーな一冊で在りますよ。